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2007年05月31日

挑戦。その1。

人それぞれに、大きくも、小さくも、
挑戦している事柄があると思います。

例えば、明日ちょっと早起きしよう。
明日、ちょと工夫したケーキを焼いてみよう。
そんなことだって、挑戦のひとつ。


でも、人知れず、壮大な目標に挑んでいる人もいます。


はじめての出会いは人を介してのご縁でした。
でも、我々、若手がもがきながら目標に向かっていくことを、
こころからご支援してくださるお客様。


浅草の旦那。心意気。男気。


三社祭での武勇伝や面白おかしく話す様々な経験。
そんな茶目っ気を吹っ飛ばす壮大な挑戦が、
旦那の心にはしかと息づいていました。


お客様の出会いの場と、我々ファシオのスタッフの勉強の場として、
数名の社長様にご協力いただき、社長塾を不定期で開催しています。
そこで、経営理念を考えよう!という取り組みをしていたときのこと。

旦那はこう言いました。


『世界中の女を綺麗にする』


これが俺の経営理念だ、と。

私はシビレました。
こんなすごく壮大な経営理念を見たことがありません。

断っておきますが、女、とは、大人の女性のこと。

旦那の仕事は、1個数円、あるいは数銭の金具を
デザインし、製造し、主にメーカーに納品しています。
こつこつと、積み重ねてやっと商売になる仕事です。


でも、こだわりがあります。


ミラノコレクションなど、世界、
特に西欧では有名ブランドが我先にと
流行を『創る』デザインを競っています。

旦那は、ここに切り込んでいく覚悟を決め、挑戦しているのです。
金具を中心としつつも、趣味でもあるバッグのデザインをも通じて。

「所詮オレはしがない金具屋だけど、
 日本人が西洋の文化で、アッチの人間を感心させる。
 こんな痛快なことがあるかい!」

今流行のアジアンテイストでの勝負はしない。
あくまで、彼等西洋のテイストで勝負して、認められる。
そして、その成果が、世界中の女が綺麗になることにつながる。


そんな壮大な挑戦が、浅草の一角で進んでいます。
そして、認められつつあります。


私は、この挑戦にほんのちょっとだけかかわれていることを、
心からうれしく思います。
ちょっと誇らしげな旦那の笑顔が大好きです。

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2007年05月03日

覚悟。その2。

彼の言葉を今でも覚えている。


『和菓子が苦手なんですよ』


私のサラリーマン時代の後輩である彼は、
新入社員として配属されてきた。
屈託のない笑顔と、人懐っこくて嫌味のない彼は、
職場でもちろん人気があり、しかし、まだ未熟であり、
でも、持ち前の粘り強さでどんどん成長していった。

その彼と話をしているときに、意外でもあり、
さもありなんと思った言葉が、冒頭の言葉である。

彼の実家は和菓子屋さんである。
2代続いた老舗。その一人息子。
幼いころから和菓子を食べて育った彼は、
生まれて初めて洋菓子を食べた時に思ったそうだ。


『世の中にはこんなにうまいものがあるのか』


印刷屋の倅であった私もこの意見はわかる。
身近なものほど、幾ら良くても『飽きてしまう』のだ。

その彼は、今、和菓子屋の3代目になった。
会社を辞め、平日の夜に新幹線で箱根から週何日も東京の菓子学校に通い、
もちろんお店では早朝から修行し、店の味を伝える者となるために、
血のにじむような努力をしたはずだ。

箱根のお店に行ったとき、名物はまだだけど、
他のお菓子は少しずつ作り始めました!
と嬉しそうに話してくれ、紙袋にそっと自分が作った菓子を入れてくれた。
そのとき、自分のことのように嬉しかったことも鮮明に覚えている。

店を継ぐ決心をしたのは、彼の母が病床に伏したときであった。
継ぐものがいない。それはきっとお母様にとって最大の心残りであったろう。
病床で形ばかりの結婚式を挙げ、最期を看取った彼等夫婦の決心は、
間違いなく揺らぐものではないはずだ。

今の彼は、更に成長している。


『この味を守り、店を守り、店のみんなを守るのは私ですから』


経営者としての、そして、長い時が紡いだものを伝える覚悟。
それは間違いなく、この日本という国に何かを残すであろう。

中小企業でも。いや、中小企業だからこそできることがある。
私たち税理士の仕事のひとつは、
そんな経営者の覚悟を支援することでもあります。

2007 05 03 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (1)

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